Question & Answer
Q&A
ちしきくん
土地家屋調査士制度を守れるのは、
一人ひとりの土地家屋調査士です。

全国土地家屋調査士政治連盟は、平成13年に設立されました。
その後、各会の土地家屋調査士政治連盟そして全国土地家屋調査士政治連盟は、着実に政治活動の充実に努めてまいりました。
しかし会員の皆様からは政治連盟の活動状況がよくわからないとの声を耳にすることがあります。
これは残念ながら日頃の政治連盟の活動状況が正しく伝わっていない事に原因があると考えられます。
この状況を考慮して全国土地家屋調査士政治連盟の組織強化委員会では、政治連盟の活動を、土地家屋調査士会員に理解していただくため「Q&A」の改定版を作成することとしました。
この「Q&A」を、土地家屋調査士会会員にお読みいただき、政治連盟の活動への理解を深め、政治連盟の会員増強の促進活動に協力いただくようお願いする次第であります。

Q1 政治連盟はどんな団体ですか?

政治連盟とは、各業界団体がその職責を全うするために必要な政策要望を、政治活動を通して政府や自治体に求めるため結成された政治団体です。
政治団体は、政治資金規正法及び公職選挙法等により、その活動を組織的かつ継続的に行う団体であり、都道府県の選挙管理委員会に届出て設立された団体です。
土地家屋調査士政治連盟の目的は、土地家屋調査士の使命である「不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資する」ため、土地家屋調査士の地位の向上を図ることです。
また、これは土地家屋調査士全員のために活動することを目的としており、特定の政党や個人の政治目的のために活動するものではありません。

Q2 土地家屋調査士政治連盟は、なぜ政治活動を行うのですか?

土地家屋調査士の全会員の力を結集し、国民から利用しやすい不動産登記法や土地家屋調査士法の改正の実現に向けた活動を行うことによって、法律専門職としての土地家屋調査士の地位向上を図ることこそ重要であります。
また、土地家屋調査士制度にとって不利益となる法制定、法改正を阻止することも必要欠くことのできないものです。さらに、政策要望を、政治活動を通して政府や自治体に求める事も必要なのです。
現在、各党議員連盟および土地家屋調査士に理解のある国会議員の協力を得て、法改正や地図行政促進に対しご尽力いただいております。調査士会ごとに設立された50の土地家屋調査士政治連盟(以下「単位調政連」といいます。)は、主に都道府県や地方自治体に対しての政治活動を行い、その単位調政連で組織する全国土地家屋調査士政治連盟(以下「全調政連」といいます。)は、各単位調政連の協力をいただいて、政府に対して制度の改善に向けた政治活動を行っております。
そのためにも政治連盟が一丸となって、議員連盟の国会議員及び土地家屋調査士に理解のある国会議員が活動しやすいように政治活動を応援し、自らの手で土地家屋調査士の地位の向上を図ることこそが重要なことであります。

Q3 政治活動は、なぜ連合会・調査士会で出来ないのですか?

連合会や調査士会は、強制加入の法定団体であるため、公職選挙法による選挙支援活動や政治資金規正法による政治的な活動はできません。
制度の改善を図るためには、政党や多数の国民の代表である国会議員に法改正の必要性の理解を得る必要があります。
連合会や調査士会と政治連盟は、法的な組織としては別個ですが、その求めるところは表裏一体の関係であります。従って土地家屋調査士の要望を実現するための政治活動は、政治資金規正法に基づく政治団体としての政治連盟が行っています。また、公共嘱託業務の受託環境を整備するために、関係団体とも連携を密にして政治活動を推進しています。

Q4 政治連盟の運営資金はどのようになっていますか?

政治連盟は、政治資金規正法の規定により、政治団体以外の団体からの寄付を受けることができません。
したがって、政治連盟が活動をするためには、個々の会員からの会費及び寄付で運営していくことになります。
調査士会ごとに設立された単位調政連は、規約に基づいて入会した会員である土地家屋調査士から定められた額の会費を納めていただいて運営していますので、会員各位には、政治連盟の活動をより活発にするためにも一層のご理解とご協力をお願いいたします。

Q5 政治連盟は、なぜお金がかかるのですか?

人が動けばお金がかかります。
土地家屋調査士法や不動産登記法を改正することができるのは国会です。
だから、政党・議員に働きかける必要があるのです。
  政治資金パーティへの出席
  勉強会の出席
  政策要望を伝える、等々
土地家屋調査士会員の皆さん、政治連盟の役員は活動をしているのです。
なお、各政治連盟は、運動方針、収支予算や収支決算を、定時大会において決議又は承認を受けて執行しており、政治資金規正法に基づく政治団体として毎年選挙管理委員会に収支報告書を提出しております。

Q6 政治連盟では今までどのような政治活動をしましたか?

政治連盟の今までの活動の結果、下記の法改正時には各党の議員連盟や衆参両院の法務委員のご理解とご協力を得て、附帯決議も含めて法改正等が行われております。
1.平成14年5月 土地家屋調査士法の一部改正に於いては、事務所の法人化、資格試験制度の整備、懲戒手続きの整備、研修・資格者情報の公開。
2.平成16年6月 不動産登記法の全部改正に於いては、電子申請導入、登記識別情報制度導入。
3.平成17年4月 土地家屋調査士法の一部改正に於いては、筆界特定手続代理関係業務、民間紛争解決手続代理関係業務導入。
4.平成22年3月 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部改正に於いては、土地家屋調査士の活用の働きかけを行う。
5.平成26年11月 空家等対策の推進に関する特別措置法の制定に於いては、参議院本会議にて、空家等対策の推進に関する特別措置法に対する附帯決議を獲得。
6.平成28年6月 経済・財政運営と改革の基本方針2016(骨太の方針)に於いて、登記所備付地図の整備の充実を図る。
7.令和元年6月 令和2年8月1日に施行された土地家屋調査士法の第一条に「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もつて国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」と明記されました。
8.令和2年2月 国の公共調達にかかる入札業種区分の役務の提供分野に「登記業務等」の区分が設けられ、土地家屋調査士、司法書士が初めて公共調達の受け皿として公に認められることになりました。

Q7 政治連盟の目指す活動とは?

政治連盟の今後の活動は、土地家屋調査士の社会的・経済的地位の向上や業務の拡大と発展のために欠かせない下記の課題があります。
1.「防災・減災・国土強靭化」に貢献する土地家屋調査士を内外に発信する。
2.狭あい道路の整備・促進に係る政治活動
3.登録所備付地図作成作業予算の増額
4.官民境界確定事務の民間委託推進
5.所有者不明土地問題への対応
6.土地家屋調査士法及び同施行規則改正への取組み
7.空家等対策の推進に関する特別措置法に対する附帯決議の実現に向けた活動
8.筆界を明らかにする業務の専門家としての地位を確率する政治活動
9.土地家屋調査士の報酬に関する活動
10.国政選挙等における支援活動
11.議員連盟との勉強会を通じ制度の有用性を訴える
12.関連業種との共存共栄を図りつつ登記業務分離発注の模索
13.公共嘱託登記事件の受託拡大の推進
14.民法、土地基本法、国土調査法改正に関する情報収集
そのために政治連盟は、連合会や調査士会の事業方針を踏まえて、政党や国民の代表である国会議員に働きかけることが重要であります。
これを効果的にするには、国会議員等の選挙において土地家屋調査士制度に理解のある推薦候補者を決定し、その選挙の支援活動を行うことも重要な活動の一つです。

Q8 政治連盟は今後の課題についてどのような対応をしますか?

司法制度改革の議論を踏まえて不動産登記法や土地家屋調査士法の数回にわたる法改正により、紛争解決手続代理業務など土地家屋調査士業務の拡大に大きな成果を得て、法律専門職としての参入が実現しましたが、土地家屋調査士制度には、まだまだ改善すべき課題が多くあります。
法改正による土地家屋調査士の新たな業務開発や地図行政における法律専門職である土地家屋調査士の更なる活用を強く各政党や国会議員等に要望して行かなければなりません。
また、士業間の業際問題が取り上げられるという動きもあるなか、今後もあらゆる分野において土地家屋調査士制度に深く関わってくる問題が発生することが考えられます。これらの状況に対して政治連盟は、関係団体とも協議を重ねながら適切に対応して行かなければなりません。そのためには土地家屋調査士の総力を結集した対応の必要がありますので、政治連盟の組織の強化に特段のご理解とご協力をお願いします。

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